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患者の立場から願う。電子カルテの共有化について

 みなさんは、電子カルテをご存知でしょうか?

 

電子カルテ(でんしカルテ)とは、従来医師・歯科医師が診療の経過を記入していた、紙のカルテを電子的なシステムに置き換え、電子情報として一括してカルテを編集・管理し、データベースに記録する仕組み、またはその記録のことである。
日本では、2001年12月、e-Japan構想の一環として厚生労働省が策定した「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」において、「2006年度までに全国の400床以上の病院および全診療所の6割以上に電子カルテシステムの普及を図ること」が目標として掲げられた。しかし、2009年現在、いまだ達成されていない。

(ウィキペディアから引用)

 

 昔からある古い病院ではまだ、紙に患者の症状や診断した内容、投薬内容について直筆で書かく紙のカルテを使用しているのを見かけることがあると思います。その反面、新しく開業した病院や大きな病院などでは、紙のカルテの代わりに、パソコンに入力しているのを見たことがあると思います。

 

 電子カルテの導入は、病院にとって大きなコスト負担を強います。また、全ての医療機関で電子カルテの情報を共有化するとなると、現在、それぞれの病院で使用している電子カルテのシステムをそのまま使用することができないため、さらに追加コストの負担を強いることになります。また、コストだけではなく、電子カルテ情報のセキュリティーの問題や管理する組織を作らなければならないなど、クリアすべき問題は山ほどあります。今の日本の医療において、医療関係者側からは、電子カルテの共有化を進める差し迫った理由がなく、今後もあまり進まないと思われます。

 

 これまで、病院では、カルテは病院のものとして扱われていたため、患者がセカンドオピニオンを受ける時、その度に現在の主治医に色々と必要な物を用意してもらう必要がありました。電子カルテの共有化ができるようになれば、セカンドオピニオンも今より気軽にできるようになります。現在の日本の医療現場では、セカンドオピニオンを快く思わない医者がいます。医者も人間です。自らの診断を信用されないというのは、やはり気持ちのいいものではありません。

 

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 私は、若年性パーキンソン病という脳の病気を持っています。その病気の症状への対処療法として、整形外科と診療内科にも通っています。また、風邪を引けば、内科にも行きますし、虫歯になれば歯医者にも行きます。

 

 みなさんも初診の時、今の症状や既往歴を申告していると思います。私はいつも既往歴で『その他』に丸をつけ、『若年性パーキンソン病』と書きます。しかし、多くの医者が自分の専門ではない病気の症状を外して診断します。私が風邪を引いて、内科で症状を報告する時、持病の症状も合わせて書くのですが、いつもその症状は無視され、風邪の症状だけで診断されます。その症状が持病由来のものか、風邪の症状と被る別の病気か判断してくれません。

 

 果たしてこれは正しいのでしょうか?

 

 病歴の長い人ほど自己判断で、医者に対し、関係のありそうな症状だけを話していると思います。腰痛持ちの方が、風邪で内科に行った時、鼻水とからだのだるさを訴えても、腰痛について話さないと思います。

 

 しかし、これは正しくありません。

 

 医者は患者から提供された自己申告の症状と数分問診でだけで、病気の目星をつけます。そして、その目星から必要最小限の検査を選び、その検査結果で病気を診断しなければなりません。与えられる情報が少ないと、正確な診断することが困難になります。

 

 検査が病気に適切なものなら、病気を見つけることができますが、もし、最初の問診で見当違いの検査をしていた場合、病気を見つけることができず、風邪やうつ病と判断して患者を返してしまうことがあります。実際、患者の多くは、風邪などの軽い病気が多いため、誤診する可能性も少ないです。

 

 ただ、病気の種類によっては、症状が悪化し、病気がハッキリ分かってからでは治せないものもあります。多くの進行性の病気にとって、早期発見が重要になります。その早期発見のキッカケに必要なのが、患者の既往歴です。半月前に熱が出て風邪と診断された。風邪のせいか体重が急に減少した。忘れた頃、背中が痛くて整形外科にいったが原因不明。その後、みぞおちが痛くて、胃腸科に行くが、ストレスによるものではと言われる。

 

 3か月後、すい臓がんの末期であることが分かる。

 

 もし、カルテが共有化されていて、胃腸科の医者が体重減少と背中の痛みを知ることができれば、すい臓がんに気付けたかもしれません。すい臓がんの症状は一時的なものが多く、いつの間にか症状が消えていることが多いです。そのため多くの患者さんが数か月後にまた同じ症状で検査を受け、病気が発見されることが多いです。

 

 医療関係者からはあまりメリットのない電子カルテの共有化ですが、患者さんたちのメリットはとても大きいです。電子カルテが共有化されれば、患者さんはお薬手帳を提示する必要がなくなります。また、検査資料も流用できるため、直近で取ったレントゲン写真や血液検査のデータなどがあれば、改めて検査をする必要がないため、検査費用を減らすこともできます。もちろん、エコー検査などのように検査のやり方で病気を見つけるものは、その都度検査をしなければならないものもあるので、全部が全部、検査費用が減るわけではありません。

 

 カルテは個人の医療情報です。投薬管理のためにお薬手帳があるように、電子カルテも個人で管理できるものになってもらいたいものです。難病を抱えるものは、病名が分かるまで多くの病院をまわることになります、また、主治医と合わなければ、別の病院を探すことになります。

 

 私は難病患者の一人として、電子カルテの共有化を切に願います。国主導だけでは限界があります。この記事が日の目を浴びることで、日本の医療が良い方向に変わることを期待しています。

 

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今、苦しんでいる人に伝えたい。俺が若年性パーキンソン病と宣告された時のことを。