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ロゴスエモ

言葉で人の心を動かす

8月31日。消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み。肉体は失っても心は、愛はそこにある。あのゼーガペインが帰ってくる。

消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み

 8月31日の午後0時。それは時が戻る時間。その偽りの世界は、9月を迎えることがなく、何度も4月5日に戻ってしまう。偽りではない現実世界に人類は存在しない。人類が滅亡した世界で、肉体を失いデータとしての存在である人間が、失われたものを取り戻す物語『ゼーガペイン』。

 

 『ゼーガペイン』は、サンライズが2006年4月から放送を開始したSFロボットアニメ作品である。ロボットアニメというジャンルであるが、その世界観は、ターゲット層である当時の子供達には難解であり、当時20代の私にとっても、そのメッセージを理解しきれていなかった。

 

 この作品は、ただのロボットアニメではない。

 

 今の私にはよく分かる。

 

 人が人を愛する時、その愛の対象は肉体ではない。心である。いつも私たちを動かすものは心である。恋愛=肉体関係ではないと私は思う。肉体的快楽で得られるものは、ほんの一瞬であり、人の心はそれだけでは満たされない。心を満たせるのは心だけである。心のない肉体関係で心は満たされない、また逆に、肉体関係がなくとも心が満たされることはある。

 

 私は中学生の頃から、父の不貞行為が原因で、他人と肉体関係を持つことを嫌っていた。一時は、自暴自棄から、積極的に求めていたこともあったが、数年前、再び父の不貞行為を知り、私は父を嫌悪し、父と同じ人間になりたくなくて、女性と距離を置くようになった。

 

 少し前の私は、男が女性を求めるのは、肉体的快楽のためだけだと思っていた。しかし、それは間違いだった。私が本気で女性を好きになった時、年齢や外見は気にならなかった。もしその人が男でも好きになったのかもしれない。私が好きになったのは、その人の性格と優しさだった。一緒に同じ空間にいるだけで満たされていた。結局、その愛は錯覚だったのだが、その後、数人の女性とブログを通じて、メール友になる機会をもらえた。どの女性も優しく、思いやりがあった。彼女たちは、男の私が持っていない心を持っており、交流するたびに、私の心は成長した。

 

 多くの人にとって、30代の男が、女性からのたった数行の文章で、心が満たされることは理解できないかもしれない。男がプラトニックな関係を求めることは信じられないかもしれない。私の実体験から言うと、気持ちがある一線を越えると、肉体関係なんかどうでもよくなるようになる。とにかく、好きな人と話したい。相手が何を好きか、何を考えているのか、とにかく、相手の全て知りたくなる。その過程で肉体関係はむしろ邪魔になってくる。常に自分の気持ちを相手のそばに置いておきたくなる。押しつけではなく、依存でもなく、相手を思いやりながら、自分に正直になりながら、適度な距離を維持しようと気持ちを抑えつける。でも抑えられない。その葛藤が歯がゆいが、今の自分が生き生きしていることに気づいて、嬉しくなる。

 

 今、私は幸せだ。この世界には、私のことを想ってくれる人がいる。心を寄せてくれる人がいる。例え、会うことができなくても、送られてくる言葉が私の心を満たしてくれる。

 

 人は肉体を失っても、心は失わない。人を愛することを忘れない。どんなに傷ついても人を愛することを私はやめない。やめられない。

 

 『消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み。』

 

 『ゼーガペイン』のキャッチコピーである『消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み。』という言葉があれから10年経った今でも私の胸に残されている。

 

 

『ゼーガペイン』は過去にBlu-ray BOXが受注限定生産された。そのため、今までは入手困難な作品であった。それが10年経った今、復活したのだ!私はすでに予約して家に届くのを待っているが、まだ、買っていない方は、是非、買って見てもらいたい。物語の展開はやや遅いが、最後まで見ていただければ、あなたの人生に大きな影響を与えることになるのは間違いないだろう。

 

ゼーガペイン 10th ANNIVERSARY BOX [Blu-ray]