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言葉で人の心を動かす

顔も知らぬあなたに逢いたい~第2歩~

小説

 前回のお話はこちら(顔も知らぬあなたに逢いたい~第1歩~

 

 私は初コメントに浮かれながらも、なんとコメントを返せばいいのか迷った。私にとって初めての読者だ。迂闊(うかつ)なコメントで初めての読者に嫌われるわけにいかない。彼はブログの読者登録もしてくれた。これからは私がブログを更新するたびに、私のブログを訪れるのだろう。おいおい、私に惚れるなよ~。私はみんなのブロガーだぞ?お前だけのブロガーじゃないぞ?そんなことを考えながら仕事をしていたら、先輩に「何、ニヤけてんの?キモイ。」と言われた。はぁ~?何言ってんだ?頭にくるなぁ。まぁ、いいさ。私はこれから人気ブロガーになるんだ。オフ会に誘われ男性ブロガーにチヤホヤされるんだ。やばい、よだれが出てきた。今日のお昼はお祝いにうな丼だな!精力つけるぞ!私はまだ若い!女は30から魅力的になる*1と狂気ブロガーの明恵さん*2も言っていたぞ。

 

 残業を終えて家に帰り、風呂からあがってビール片手にお礼コメントを書いた。それはもう丁寧に!私は返信コメントが来ていないか、寝るまで30分おきに確認した。どんな反応がくるのか、これからこの人とコメントのやりとりを通じて、オフ会に呼ばれ、付き合って……。もう、なんだ、夢、広がるな!毎日がこんなに楽しくなるものなのか?ブログ、すげーな!

 

 一週間経っても、その人からの返信コメントはなかった。その人はブログを毎日更新しており、記事には大量のブックマークがついていた。私は気づいた。彼は私のブログの純粋な読者ではなく、ブログの宣伝活動として足跡を残しただけだったのだ。

 

 コメント一つで浮かれていた私がバカだった。ブログは自分から存在をアピールしないと誰も読んでくれないものだったのだ。どんなに面白いことを書こうが存在を知られなければ誰も読まない。オープンしたばかりのお店と同じなのだ。

 

 私は手当たり次第、他の人のブログを読んでは足跡を残して行った。そのかいあってか少しずつだが読者も増え、ブックマークもつくようになった。ただ、コメントはつかなかった。ブックマークで当たり障りのない短いコメントを書かれることはあったが、私が夢見ていたコメントのやり取りからオフ会へ発展する気配は全くなかった。

 

 元々は人との交流(特に男性との出会い!)が欲しくて始めたブログだったが、いつの間にか読者数を伸ばすこと、ブックマーク数を稼ぐことが目的になっていた。記事も書きたいことではなく、読者ウケすることが中心になっていった。

 

 読者数が300人超えた時、私は気づいた。私のブログを書いている『私』は誰なのだろうか?『私』のブログには、実際の『私』とは別人の『私』がそこにいた。

 

 続きはこちら(顔も知らぬあなたに逢いたい~第3歩~

 

 

☆関連記事☆

顔も知らぬあなたに逢いたい~第1歩~ 

 

*1:内面的な美しさが備わるのは色々苦労して落ち着いた30過ぎてからだと思います!

*2:俺(こんな皮肉小説を書いていること自体が狂気もしくは凶器)