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言葉で人の心を動かす

幸せなメルとミント

小説

ある村にとても仲の良い双子の姉妹がいました。消極的なメルと積極的なミント。二人は相反する性格でしたが、とても仲が良く、何をするにも、いつも一緒でした。

 

二人の誕生日に、お仕事で忙しいお母さんから、自分で好きな物を買うようにと銅貨を一枚ずつもらいました。

 

二人には、それぞれ欲しいものがありました。メルは町はずれにある古びた雑貨屋で売っている小さな白いコップが欲しく、ミントは村の真ん中にあるおしゃれな洋服屋で売っている赤いマフラーが欲しかったのです。

 

しかし、なぜだか、メルは洋服屋に行き、ミントは雑貨屋に行きました。

 

その日の夜、二人の家では、ささやかですが二人の誕生日パーティーが開かれました。

 

お母さんは二人に何を買ったのか尋ねました。すると、メルはミントへ紙包みを渡し、同じく、ミントもメルへ小さな箱を渡しました。

 

二人は自分へのプレゼントではなく、お互いへのプレゼント買っていたのです。

 

いつも仲良しの二人です。お互いが欲しがっていたものをよく分かっていました。お互いにプレゼントされたものが、お互いに欲しかったものであったため、メルもミントも大喜びです。

 

二人は分かっていたのです。自分で自分の好きなものを買うより、プレゼントを渡し合うことの方が幸せになることを。

 

自分で買えば、幸せは一つです。でも、プレゼントをもらえば、もらったプレゼントで幸せが一つ、プレゼントをもらえたということでさらに幸せが一つ。合わせて二つ。

 

メルとミントがそれぞれ自分の欲しいものを買ったら、二人合わせても幸せが二つ。でも、お互いにプレゼントを渡し合えば、二人合わせて幸せが四つ。

 

メルは赤いマフラーをしてよろこんでいるミントを見てうれしくなりました。ミントもメルが白いコップでココアを飲んでいる姿を見てうれしくなりました。

 

プレゼントはもらう方だけではなく、あげる方もうれしいものなのです。

 

メルとミント、二人が得た幸せは、実は四つではなく、六つだったのです。

 

お互いを思いやる姉妹を見て、お母さんもお父さんも、とてもうれしくなりました。プレゼントはみんなを幸せにするものなのですね。

 

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