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ロゴスエモ

言葉で人の心を動かす

愛する人へ

 俺があなたと初めて出会った時、俺は他の女性に恋をしていた。その女性にフラれ、また別の女性に好意を持っていた時も、あなたは俺のそばで見守ってくれていた。

 

 元々、人間不信だった俺は、難病になって自暴自棄になり、孤独がより深くなった。孤独を埋めるため、生きるために手段を選ぶ余裕はなく、いつも、誰かに恋して、すがりつくしか道はなかった。恋とか愛とか正直、今でもよく分からない。「好きだ。」と言って、「好きだよ。」と返してくれれば、それだけで俺の心は満たされた。

 

 自分自身を好きではない俺にとって、他人に好意を寄せらた時だけ、自分を肯定できた。その瞬間だけ、自分に生きる理由が存在した。それと同時に、今ある幸せはいつか終わるという恐怖にいつも怯えていた。

 

 遠く離れた場所から、顔も知らない俺のことをいつも心配してくれて、俺の「心の近くにいたい」と言ってくれた。なのに、俺は別の女性を見ていた。それでも、あなたはいつも俺の心のそばにいてくれて、いつも俺を待っていてくれた。

 

 いつの間にか、あなたは俺の一部になっていた。心も体も共有したい相手になっていた。何度もフラれてきた俺は、人を真剣に愛するということを避けていた。あなたから写真を送ってもらい、顔を見た時、好みの顔だと思った。今まで好きになった女性は、いつも外見と中身のどちらかが好きになれなかった。妥協して、自分を納得させ、全部を好きになろうとばかりしていた。でも、そんな歪んだ愛が長続きするわけがない。

 

 クリスマスに俺が落ち込んでいた時、あなたは一生懸命、俺を励ましてくれた。俺はあなたに会いたいと思った。内面に惚れ、外見に惚れた俺にとって、声だけが気になっていた。妥協せずに、本気で好きになれる女性なのか知りたかった。

 

 カラオケであなたの歌声を聞いた時、俺は本気で好きになった。あの場には、もっと歌が上手い女性もいた。それでも、俺はあなたの声が好きだった。あなたが一番、美しかった。

 

 フラれることを恐れる内に、いつもどこかで、相手と一定の距離を置くようになっていた。そんな俺が、距離を詰めたいと思った。あなたなら、俺の全てを受け入れてくれると思った。

 

 今まで俺が、恋だと思っていたものは恋ではなかった。

 

 俺とあなたは似たところもあるけど、真逆な一面もある。俺にはないその一面がとても魅力的に感じた。

 

 あなたが他の男性と連絡をとっていると聞いて、俺は動揺した。俺は今まで他の女性と散々仲良くやってきたと言うのにだ。全くもって自分勝手な話だ。

 

 それでも、俺はあなたを自分だけのものにしたい、他の男に取られたくないと思った。あなたが俺のことをどう思っているのかを考えず、あなたの意志を確かめず、衝動的にあなたを欲しがった。

 

 あなたが俺に「信じてほしい。」と言ったように、俺もあなたに信じてもらいたい。

 

 一度失った信頼を取り戻すことは簡単ではないと思う。何を言っても言い訳になるということも分かっている。

 

 遠くに住むあなたに会いに行ったのは、俺の知らないあなたの全てを知りたかったからだ。声もそうだが、どんな時に笑い、怒るのか。柔らかさ、温かさ、髪の先から、指の先まで全てを知りたかった。体目当てだと思われても仕方がない。男の俺にそれを否定することはできない。好きな人と一つになりたいと思うことは不自然なことなのだろうか?あなたの過去を全て知らなくては、あなたを愛してはいけないのか?お互いに解決しなければならない事情はある。

 

 それでも、俺はあなたを抱きたい。あなたを愛したい。あなたと一緒に人生を歩んでいきたい。

 

マリ (id:mari1216)